「ボランティアする価値のある大会」でなくては・・・

オリンピック

看護士、医師をオリパラ組織委が募集しているらしい。それはそうでしょう。このコロナ禍、酷暑の東京で極限のスポーツ大会を開催するなら、当然医療関係は完璧な体制を組まなければならないと思います。

それが「医療関係者=ボランティア=無償」であることに怒っている人たちがたくさんいるようですが、ちょっと違和感を感じます。

ボランティアとは、お金ではない意義を感じて自ら行う活動です。医療スタッフとしてオリンピックに関わることに意義を感じる人がボランティアとしてすすんで自分の技量を提供し、そこに参加することは素晴らしいことのはずです。

つまり医療関係者をタダで働かせることが問題なのではなく、「医療関係者がそこに意義を感じることができない」ようなイベントであること、別の言い方をすれば、「ボランティアでそこに参加する意義を社会が評価しない」程度のイベントになってしまっているということが問題だと思います。

もし医療関係者が無償でなくなったとしたら、すでに応募済みの11万人のフィールドキャスト、シティキャストはどういう立場になるのでしょうか?

実はこの11万人の中にもたくさんの医療関係者がいました。私の友人の医療関係者(医師、看護士、養護教諭など)5名も応募し、活動が決まっていましたが、コロナ禍の状況で昨年のうちにボランティアを諦め、今は必死に通常の医療活動で頑張っています。

もとより医療関係者はボランティア精神を持ち合わせた人が多いと思います。この人たちが、「今やるべきことはオリンピックのボランティアではなく、仕事としての医療活動である」と判断してボランティアを辞退しているのです!

なのにその気持ちを逆撫でするかのように、改めて「オリンピックに医療関係者を」という発表。なんだかなぁ〜です。

組織委は焦っているのか、いろんなことをお金で解決しようとしているように見えます。

ボランティアで手を挙げていた人の中でも、通訳とかSEとか特別なスキルを持った人の中から「採用されたのでボランティアではなく職員(バイト)になります」という人が出てきています。(パソナ、儲かってるだろうなぁ笑)

組織委にとって「ボランティア」ってなんだったんでしょうか?

ボランティアは元来、ノブレスオブリージュ的精神で「余裕のある者、持てる者が、自らの技量や財産を社会のために無償で提供すること」から始まっており、その行為自体を社会が「ありがたいこと、素晴らしいこと」と認めることで社会的価値があったはずです。

組織委員会が正しくボランティアの意義を理解し、東京2020大会がボランティア活動するに値する大会であれば(国民がそう思っていれば)、

この大会でボランティアとして無償で自らの時間やスキルを提供することは、ものすごく価値のあることだし、その経験は以後の人生を豊かにするものだったはずです。

でも今、その大会を強行開催することに多くの人が賛成していません。

そこでボランティアをすることは社会的価値や社会的評価を得られないものになってしまいます。

だから、「医療関係者を無償で働かせるとは何事だ!」となるんだと思います。

でも!

だとしたら!

全てのボランティアに対しても、お金を支払うべきではありませんか?

ワクチンもPCRも無しで、選手、スタッフ、マスコミ等国内外から集まった不特定多数の人と、至近距離でやりとりすることになりますよ!

酷暑の中、早朝から深夜まで、8時間もの活動ですよ!

職場やコミュニティからは「オリンピックに協力している人」「オリンピックのために休暇を取る人」「コロナウイルスは大丈夫?」なんて疎外されるかもしれないですよ!

直前になってボランティアがこぞって辞退することだって十分想定できます。

だって、やって「よかったこと」「得したこと」が何もないんだったら、やる必要ないじゃないですか!

(これ言うと誤解が生まれそうですが、私はボランティアが「単なるタダ働き」だったらやる意味がないといつも思っています。そこにご褒美があって当然なんです。「社会からの評価」があれば最高ですが、スポーツボランティアはまだそこがあまり期待できないので、だとしたら「選手と写真が撮れた」でもいいし「お礼にチームグッズをもらえた」でもいいのです。でもこのあたりの規制もオリパラはめちゃくちゃ厳しくなっていて(常にスポンサーファーストですからね)期待できません。もっと言えば、活動帰りに「ボランティア同士で飲み会!」だって、「ボランティアやらなければあり得なかった機会」であって「ボランティアやってよかったこと」ですよね。でも、今はこれも期待できないのです!)

もう一度、本当にこの大会ができるのか、なんのためにやるのか、誰のためにやるのか、考えて欲しいと思います。

医療関係者の友人の言葉が胸に刺さりました。

「ボランティアするかどうかは、その活動に誇りが持てるかどうかだよね。今はとてもオリンピックでボランティアはできない・・・」

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